船舶修繕に欠かせない溶接技術、多種多様な部品などを組み合わせた機械部品の加工製作で培った特殊技術を活かし、メーカーでは既に生産が終わっている部品でも自社内で製作し供給しています。修理が不能といわれた機械機器がもとの通りに動き出す姿は、修理を依頼されたお客様からの感謝につながっています。
旋盤による機械部品の加工製作
長年の船舶修繕で築き上げた設備関連の技術力(発電機、電気設備、エンジン設備、配管工事、機器換装等)と沖修理(出張修理)で培った現場力とを応用し、環境プラントをはじめとした陸上設備の修理・保守メンテナンスを行っています。
プラント設備機材搬入
陸上設備現場での配管溶接
出張工事の際に船舶、陸上ともに「油圧ホース交換」の相談が多くありました。なぜなら、油圧ホースは本体がゴム製品のため、船舶機関、建設機械の中で一番劣化が激しく壊れやすい部品だからです。その上、用途によって長さやカプラー(継手・コネクター)の形状が異なり、一本一本をオーダーで製作し、注文から取付迄に長期間を要していました。
横浜工作所では、こうした問題を解決するため、世界的な油圧ホースメーカーである「GATES」社と業務提携を行い、油圧ホースの製作・耐圧試験・取付までを一貫して行う「即納体制」を確立し、様々なニーズにスピーディかつ効率的に対応可能となりました。
油圧ホース製作現場(カプラーの取り付け)
油圧ホース製作現場(耐圧試験)
船舶に関わる企業では、船舶自体の安全性も重要ですが、油流出事故など海洋汚染防止対策の検討も必要です。中小型船舶では、取り回しのしやすいリヤカータイプの回収機へのニーズもあります。
横浜工作所では、こうしたニーズにも応えられるよう、世界の5大メーカーの一つであるSLICKBAR®(スリックバー)社と業務提携し、小型で高性能な油回収機の国内販売並びに、修理・整備を行っています。
船舶修繕技術を活用した新規事業として、2019 年より、「浮体式洋上風力発電向けの大型アンカー製造事業」に着手しました。
2024年2月には、初めての国内製造品となる試作機を完成。フライホフ社が長年の研究と多くの経験で培った独自デザインを備えた『Stevpris Mk6』の12トン型(サイズ:約4m×6m×6m)ドラッグアンカーです。
同社のアンカーはヨーロッパ海域をはじめ世界各地で8,000個以上の利用実績を持ち、世界シェアは約6割を占める信頼性の高いブランドです。
試作機(初めての国内生産の12トン型アンカー)
浮体式洋上風力発電所イメージ